突然の記録返却

 先日、事務所に膨大な量の記録が届きました。大きめのロッカー2段分の量です。数年前、私が第一審の国選弁護人を担当した裁判員裁判の記録です。争いのある事件で、死刑の可能性もある中、第一審が無期懲役、弁護側が控訴し、別の国選弁護人が控訴審を担当したものの控訴棄却、さらに別の国選弁護人が上告審を担当し、先日、上告棄却で刑が確定しました。

 私は控訴審の国選弁護人に記録一式を貸し出していたのですが、刑が確定したため、控訴審の弁護人が、記録の持ち主である私に記録を返却してくれたわけです。第一審が終了してから、長い間、私の手元を離れていた記録です。今さら記録が返ってくることを現実問題として考えていませんでした。しかし、確かに私が記録の持ち主ですから、刑が確定した以上、私の手元に置いておくのが筋です。

 悩ましいのは、この記録をいつまで事務所で保管しておくかです。争いのある事件が無期懲役で確定したわけですから、将来的に、いつ何時でも、再審請求する可能性を考えておかなければなりません。そうすると、私が記録の保管期限を勝手に決めるわけにはいかず、基本的には永久保管ということになりそうです。しかし、これまで私が弁護した方で無期懲役を言い渡された人は何人もいますので、それらの記録を全部永久保管するというのは現実的ではありません。

 そこで、網羅的にPDF化し、紙ベースの証拠は処分するという手が考えられます。この事件でも、当時、主だった証拠については、すでにPDF化は終えています。今の複合機は簡単かつ綺麗に書類をPDF化できますので、時間をみつけて、残りの証拠についても、少しずつPDF化しておこうと考えています。

目次