オンライン法律相談・打合せ

パンデミックが2年目となり、すっかりオンライン・ミーティングは主流となりました。当事務所では、相談者の方との初めての法律相談や依頼者の方との定期的な打合せにオンラインを活用しています。利用するツールは、Zoomが9割くらい、Skypeが1割くらいです。裁判所主催のウェブ会議はMicrosoft Teamsを使いますが、それ以外の場面では、圧倒的にZoomが多いという実感です。

オンライン法律相談・打合せは、特に相談者・依頼者が遠方の方である場合に威力を発揮します。私の場合、農地関連の相談が一定数あるせいか、相談者は全国各地に散らばっていて、オンライン方式に助けられることがよくあります。以前であれば、朝一番でこちらの事務所に向かっていただき、昼過ぎに面談での相談を入れるというのが通常でした。しかし、今ではZoomで朝一番に相談を入れることも容易です。ただし、初めての方の場合、本人確認の必要があるため、身分証明書の提示などを求めるようにしています。このあたりは、インターネットを利用しつつ、もっと便利な本人確認の方法があるのではないか、と考え中です。

既に委任を受けた依頼者との打合せも、やはりオンラインが便利です。以前であれば、期日ごとの報告書を郵送し(最近ではメール送信が主流になりました)、必要であれば日程調整して面談の打合せを入れ、必要がなければそのまま次回期日を迎えるという流れでした。しかし、今では、特にこちら側の課題がなく、必要性が高くない時でも、15分、20分程度のオンライン打合せを入れることがあります。依頼者の表情を確認しながら短時間の打合せをするだけでも、信頼関係の構築にとってプラスの影響をもたらしていると思います。相互に表情を確認できない電話では、これはなかなか難しいことでした。

他方、実際に面談して行う法律相談、打合せの重要性も痛感します。過去に一度でも実際に面談したことのある方であれば、その後にオンライン相談・打合せが続いたとしても、比較的面談に近い感覚で話すことができます。
しかし、一度もお目にかかったことのない方の場合、オンライン方式が続くと、相談者・依頼者の方との距離感が分かりにくいことがあり、何となくやりにくさを感じることがあります。それに、こちらの意気込みを依頼者に強く伝える時とか、依頼者に強く共感する時とか、依頼者を説得する時とかには、面談での打合せの方がずっと上手くいくように思います。人の能力というものを侮ってはならないのでしょう。人は表情と音声だけでなく、その場の空気とか匂いとか沈黙とか、様々な情報を感じとります。例えば、オンライン・ミーティングではあまり長時間の沈黙はやりにくさを感じるだけですが、実際の面談の場合、時には長時間の沈黙が大切な意味を持つことがあります。これからの弁護士は、オンラインとオフラインを上手に使い分けるスキルが必要になるでしょう。

昨日は合計6時間、今日は合計4時間のオンライン・ミーティングでした。ディスプレイを長時間凝視すると、目にかなりの負担がかかります。それに、声が大きめになるせいか喉も渇きます。体を労りながら、今後もオンライン・ミーティングを積極的に活用していきたいと思います。

鬼頭治雄

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