20分間

 弁護士が増えた影響から、現在では年に1、2回程度ですが、自治体等の無料法律相談を担当することがあります。全3時間で1人あたり20分間の短い法律相談です。相談者は無料で弁護士に相談することができ、弁護士には、自治体等から弁護士会を通じて日当が支払われます。

 弁護士になったばかりの頃は、誰からどのような分野の相談があるか全く予想もつかず、内心不安な気持ちで相談に臨んだものでした。しかし、この世界で18年ともなると、そのような気持ちは、思い出すことさえ難しい過去のものです。とはいえ、20分ずつの相談が立て続けに8件押し寄せ、息をつく暇もありません。終わった頃には喉がガラガラになるなど、ハードな仕事の一つです。

 それにしても、20分間は短すぎると言わざるを得ません。相談者からの細かい話を大胆に切り捨て、方向性を示すだけで精一杯です。1時間以上の相談であれば、細かい話の中にきっと相談者の思いがあるとの前提の下、時間をかけてその思いを探りながら話を聞くことができます。しかし、20分相談の場合、後半の10分はアドバイスの時間に使いたいので、おおむね前半の10分で相談内容を把握するくらいのスピード感が必要です。

 限られた時間の中でできるだけ多くの人に相談の機会をというコンセプトで運営されているものと推察しますが、一人あたりの持ち時間があと10分でも長ければだいぶ違うのになぁと思います。

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