研修を終えて

アメリカに滞在したのが3週間、そして、アメリカから帰国して3週間が経過しました。

体内時計や生活のリズムが完全に元に戻るには、滞在日数と同じ時間を要しました。日本で生活する以上、元に戻すのは当然のことですが、日常の業務に追われているうちに、アメリカ滞在中、鮮烈に感じたことの輪郭がぼやけていくような気がして、少々複雑な気持ちです。

研修で感じたのは、日本の法制度や仕組みが全てではないということです。当たり前と思っていることが、実はそうではありませんでした。であれば、これまでの常識にとらわれることなく、事案ごとに、何が最善なのかを考える必要があります。

子の連れ去り、子どもの親権や面会交流は、アメリカの家族法の一部でしかありません。ですが、日本とは異なる法制度を学んだことで、アメリカ以外の国の法制度を、さらには国際家族法を学びたくなりました。

今や、日本で出生した子の29人に1人が、外国人を親とする子だそうです。今後、日本にもさらに多くの外国人が住むようになるでしょう。国際養子縁組だって身近になるかもしれません。

弁護士登録して15年以上が経過し、今後も同じような仕事だけを続けるのだろうかと思いながら、将来の具体的なイメージが描けませんでした。でも、研修に参加したことで、自分が知りたいこと、新しく勉強したいことが、いくらでもあることに気が付きました。

また、これまで旅行するのなら、断然、ヨーロッパが好きだった私ですが、今回の研修で、アメリカの明るさや懐の深さに感銘を受けたことにより、これからもアメリカを訪れたいと思うようになりました。

このようなささやかな思いを消さないようにしたいです。

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