ニューヨーク(その2)

ワシントンD.C.では、私たちが各機関を訪問しましたが、ニューヨークでは、私たちは、アメリカ政府の国連代表部の会議室に待機して、ミーティングをする形式でした。

国際家族法専門の弁護士の方とのミーティングでは、ハーグ条約の子の返還請求事案において、争点となる「子を連れ去られた側の親(LBP)の同意」「子の意思」「重大な危険」などについて、どのような証拠が重要になるのか等、実務上参考になるお話をお伺いすることができました。

離婚に伴う諸問題について、家族や子どもたちをサポートする”Family Kind”とのミーティングでは、具体的な活動内容についてお伺いしました。同NPOには、心理学者やmediatorといった専門家であるボランティアが70名ほど所属しています。相談者に対し、問題解決のための様々な選択肢を提示したり、mediationを行ったり、同様の悩みを抱えた親同士が集まる機会を設けるといったサービスを無料で提供しています。

また、州裁判所を退官され、現在は弁護士としてジェンダーに関する活動もしていらっしゃる元判事や女性弁護士からは、様々な状況で女性が弱い立場におかれている現状をお伺いしました。

ハーグ条約は、他国に連れ去られた子どもについて返還等を求めるものです。もっとも、連れ去りの背景には、DV(ドメスティック・バイオレンス)や、子どもの虐待などの問題が伴うケースが多いと思われます。特に、外国人配偶者は、家庭内で悩みを抱えていても、語学力の問題があり、しかるべき機関に相談をすることもできず、経済的にも不安定になりがちです。子の連れ去りを考えるにあたっては、DV被害者や子どもの保護やサポートについても同時に考える必要があります。

アメリカにおいては、アメリカ人と結婚した日本人配偶者が、日本においては、日本人と結婚した外国人配偶者が、同じような不安を抱えています。

先週、NHKラジオで、虐待に苦しむ子どものためのシェルターが、資金面で行き詰まり、次々と閉鎖に追い込まれている現状が紹介されていました。本来は、一層、子どものサポートが必要なのに、そのような残念な現状があると知り、もっと社会全体の意識を高めていく必要があると痛感しました。

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