対話型調停とは

昨日まで、日本仲裁人協会の調停人養成講座に参加し、修了証をいただくことができました。

この講座は、対話型調停、当事者双方の同席調停の技法等を学ぶもので、日頃、法律相談や依頼者との打合せ、紛争解決のあっせん人としての業務を仕事をする中で、肌感覚として持っていたものを理論として確認し、また、これまで感じていた壁を越えるための新しい知識を得ることができたように思います。改めてADRという分野は面白いと思えました。

また、日本全国から、様々な職業の方が参加しておられ、たった2日間ではありましたが、どのように紛争解決の業務に関わられておられるのか、どのような関心をお持ちなのか、それぞれ課題や工夫点をお伺いできたことも勉強になりました。

当事者から話を引き出し、それを整理し、当事者自らが決定できるための道を見出して行くというのは動的な作業であって、調停人としては臨機応変な対応が必要となり、ロールプレイをしただけでも消耗するくらい頭を使うのですが、解決を生み出すという醍醐味があります。

他方、同時に悩みも感じました。家事調停も、本来的には勝ち負けではなく、対話による当事者の相互理解により解決されるべきものです。しかし、最近、家事調停が訴訟化しているように思います。数年前から、調停でも裁判と同様の準備書面の提出を求められることが増えました。あるべき調停や調停委員の先生方の立場を理解しつつ、しかし、私は当事者の代理人として活動しなければいけません。そして、多くの依頼者が代理人である私に求めるものは、調停においても勝つことなのです。この折り合いについて、さらに考えていく必要があると思いました。