本日は、日弁連が提言した「養育費・婚姻費用の新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言」に関する研修会がありました。講師は、上記提言の作成にあたり、中心的な役割を果たされた竹下博將弁護士でした。
実務で一般的に使用されている現算定方式の問題点、新しい算定方式はどのような修正がなされたのか、特別事情をどのように考慮するのか等について、約2時間、熱意あふれる講義をお聴きすることができました。講師は、裁判所で一顧だにされなくても、批判をされても、婚姻費用・養育費の現算定方式に疑問を持ち、新しい算定方式を訴えつづけてきたということです。
新しい算定表には、新しい算定方式で計算した金額以外に、最新の統計値を現算定方式にあてはめた金額(現算定表が古い統計値に基づいて計算されているためです)が分かるようになっています。最新の統計値を用いた養育費や婚姻費用は、現算定表より少し金額が上がっています。
いきなり新しい算定方式を採用するのでは抵抗感が大きいが、現算定方式に最新の統計値を用いるだけでも金額が修正されることを主張して、例えば、その金額と新しい算定表上の金額の間で交渉するなどして、次第に新しい算定表が馴染んでいけば、というご趣旨でした。
既に私も新しい算定方式を前提にした主張書面を書き、相手方から同様の書面を受け取ったこともあります。本日の講義はほぼ満席でしたし、弁護士の関心の高さが窺われました。