エッセイ

最新のエッセイ

2018年07月30日弁護士 鬼頭治雄
 久しぶりに、当初から事実関係に争いがなく、しかも執行猶予判決が見込まれる小さな事件の弁護をしました。外国の方のオーバーステイ事案です。  弁護人が選任される前から事実関係を認める自白の供述録取書がしっかり作成されており、自白調書以外の証拠(甲号証)も、ほぼ客観的なものばかりで、特に指摘することもありません。それに、弁護側立証と言っても、被告人質問くらいしか思いつきません。  さ...
2018年07月26日弁護士 鬼頭治雄
 予想されていたことですが、7月6日に続いて、今日、オウム真理教事件で死刑判決が確定した6名の執行がありました。前回は、死刑の持つ野蛮さについて考えましたが、今回は広い意味での誤判について考えてみます。  私自身は、これまで死刑判決が予想された事件の弁護を4件担当しましたが、結果はいずれも無期懲役でした。従って、自分が担当した事件について、私は法廷で死刑判決を聞いたことがありません。死...
2018年07月24日弁護士 鬼頭治雄
 東京高裁が、裁判官分限法に基づき、最高裁に岡口基一裁判官の懲戒処分を申し立てたという報道がありました。ツイッターの不適切投稿が理由なのだそうです。問題とされた投稿がいくつかあるようで、何が理由かは明確ではありませんので、以下は限られた情報を踏まえた感想です。  私の知る限り、岡口裁判官が職務上知った秘密を漏らしたとか、不法行為を構成するような表現行為に及んだといったものではなく、いず...
2018年07月20日弁護士 鬼頭治雄
 司法修習を終えると、それまで同じカリキュラムで学んできた人達が、弁護士、裁判官、検察官とそれぞれ別の道に進みます。しかし、弁護士を18年もやっていると、あらためて、弁護士と他の公務員二者との違いを実感することがあります。  公務員である裁判官と検察官は、どちらも身分保障が確立されており、給与所得者ですから、収入のことを気にせず、目の前の仕事に集中することができる環境が整っています。こ...
2018年07月18日弁護士 鬼頭治雄
 事実認定、法的評価、量刑等を争う本体の刑事裁判では、ときどき想定外の判決・決定を受けることがありますが(そして、たいてい想定外に悪いほうの結論です。)、自分が担当した刑事事件全体からみれば、おそらく件数的にはそれほど多くないでしょう。ところが、勾留決定や勾留延長に対する準抗告、保釈、接見等禁止に関する勾留裁判では、日常的に想定外の決定を受けています(そして残念ながら、こちらも、たいてい想定...