エッセイ

最新のエッセイ

2018年01月14日弁護士 鬼頭治雄
 年末年始、何冊かの本を読みました。そのうちの一冊がアビー・スミス&モンロー・フリードマン編著(村岡啓一監訳)『なんで,「あんな奴ら」の弁護ができるのか?(原題"How Can You Represent Those People?")』(現代人文社)です。アメリカを中心とする著名な刑事弁護人16名が、それぞれ標題の問いに答える形で寄せたエッセイを一冊にまとめたものです。  刑事弁護に...
2017年06月15日弁護士 鬼頭治雄
 2017年6月15日は日本の刑事司法にとってターニングポイントというべき日となりました。「共謀罪」法が成立したからです。今の国会情勢においては法の成立は時間の問題だろうと思っていましたが、いざその日がやってくると、刑事司法に携わる一人として、何ともやるせない気持ちになります。  「犯罪を計画段階で処罰する『共謀罪』の構成要件を改め『テロ等準備罪』を新設する改正組織犯罪処罰法が成立した...
2017年03月27日弁護士 鬼頭治雄
 先週の金曜日(3月24日)、知人女性を殺害し、同級生に硫酸タリウムを飲ませたとして、殺人、殺人未遂等に問われた元大学生に対する判決が名古屋地裁で言い渡されました。完全責任能力を認めて無期懲役としたことに加え、裁判長が、仮釈放の弾力的運用に言及したことが報道で大きく取り上げられていました。  ところで、報道によると、裁判長は、この日「裁判員からのメッセージ」として「公判中の弁護側主張に...
2016年12月31日弁護士 鬼頭治雄
 2016年は、公判前整理手続・打合せ期日が数十回、公判も1か月を超える大規模な裁判員裁判の弁護を2件、第一審が大規模な裁判員裁判だった事件の控訴審からの弁護を1件担当しました。私自身の弁護人としてのスタンスは、基本的には、以前書いたシリーズ「弁護人に問う」から変わっていません。しかし、大規模事件を経験したことによって、実際に弁護するにあたっては、シリーズで書いたようなシンプルなメッセージだ...
2016年07月18日弁護士 鬼頭治雄
 先日、長く争っていた道路交通法違反(酒気帯び運転)の事件について、無罪判決が言い渡されました。厳密に言えば、刑の重い酒気帯び運転だけでなく、事故の報告義務違反も起訴され、そちらは争いがなく有罪判決が言い渡されましたので、一部無罪ということになります。受任時より、殺人等の重大事件とは別の意味で厳しい裁判になることが予想されましたので、金岡繁裕弁護士に共同で弁護を引き受けてもらい、徹底的に争っ...