陳述書に反論?

ここしばらく、疑問に感じることがあります。

裁判等の手続きにおいて、私たち代理人は、当事者であるご本人や、証人となる方の「陳述書」を作成して裁判所に提出することがあります。「陳述書」とは,事件に関連して、その方が経験し、認識した事実が時系列に沿って述べられたものです。「陳述書」には日付を記入し、その方に署名押印していただきます。そして、「陳述書」は主張書面ではなく、証拠です。

「陳述書」は、通常、民事裁判において、尋問を行う前に提出を求められます。様々な見解がありますが、主尋問を補完する機能や証拠開示の機能があると考えられています。また、家庭裁判所が子の監護者・親権者や面会交流の方法を判断するにあたり、「子の監護に関する陳述書」の提出を求めることもあります。

このように、「陳述書」は、あくまでご本人が経験・認識した事実が記載され、つまりはご本人の言い分について、裁判所が把握するための証拠の一つです。それなのに、時折、「陳述書」に対し、相手方が反論することがあります。あるいは、「『陳述書』に反論する陳述書」を提出する相手方もいます。そして、先日は、調停手続きにおいて、家事調停官から「子の監護に関する陳述書」に対し、互いに反論書面を提出するようにと指示されました。

経験・認識した事実に齟齬があるからこそ、紛争になっているのですから、相手方当事者の言い分が記載された陳述書が、自分の言い分と異なるのは当たり前です。それは証拠なのですから。

民事裁判であれば、反対尋問において、相手方当事者の言い分を検証すればよいのです。そして、「子の監護に関する陳述書」については、家庭裁判所調査官が調査を実施します。反論などさせれば、お互いの感情を刺激するだけです。一体何の意味があるのか、疑問に思いました。