執行制度、イングランドとの違い

お盆休みも終わり、今日から仕事という方も多いと思います。当事務所も、本日から業務を開始しました。

私は、8月の前半は、弁護士会の仕事でロンドンに滞在していました。そして、仕事始めの本日は、民事執行法改正の中間試案について、委員会内の意見書(案)を作成する作業をしました。

ちょうど、民事執行法改正試案には、子の引渡しの強制執行に関する規律が提案されています。ロンドンでは、まさに子の連れ去りに関するお話を伺ってきましたので、自国のあり方が絶対という訳ではなく、国によって制度が異なることを改めて意識しました。

例えば、子の引渡しの強制執行に関しては、日本では、子どもの心身への負担をできるだけ軽減するという趣旨から、間接強制を前置するか、同時存在を原則とするかが議論されていますが、イングランドでは、裁判所に所属するtipstaffが、警察から援助を受け、子ども所在を調査し、パスポートを預かったり、子どもの身柄を確保して引き渡すなどの役割を担っています。お話をした限りでは、「執行不能」という感覚はないように思えました。

そのような執行制度が当たり前のイングランドの方からすれば、日本のハーグ条約実施法上の執行制度(間接強制前置、同時存在の原則)やその運用状況については、かなり興味を持たれた様子でした。お話をした裁判官は、人身保護手続が、子の引渡しの解決方法として利用されていることについて知っておられ、国外から見た場合、それも特異な運用なのだろうと思えました。