民事執行法の改正に関する中間試案のたたき台

先週金曜日(7/28)、日弁連から、各単位会に対し、法制審議会民事執行法部会「民事執行法の改正に関する中間試案のたたき台」について、意見照会がありました。法務省が、本年9月下旬、民事執行法の中間試案についてパブリックコメントを実施するからです。日弁連は、パブリックコメントに向けて意見書を検討するにあたり、各単位会の意見を募ります。民法(債権関係)のときも、相続法のときも、同じことが行われてきました。

そして、私が所属する委員会が、民法(債権関係)や相続法と同様、愛知県弁護士会の意見書(案)を作成することになりました。相続法の意見書(案)の作成が終わったばかりでしたが、民事執行法の意見書(案)について、日弁連への提出期限は8月31日とのことでした。この提出期限から逆算すると、委員会の意見書(案)はお盆までに作成する必要があります。つまり、今から2週間もありません。

通常業務をしながら、短期間で資料を読み込み、意見書(案)を作成するのは、容易なことではありません。意見書作成に費やす時間を確保するため、事務所経営に資する通常業務の時間を削らなければなりません。その意味でも負担の多い作業ですが、数名の委員が分担してくれることになりました。私自身、決して余裕はありませんが、忙しいとか、できない理由を一切述べることなく、使命感から快く分担を引き受けてくださった委員に感謝して、責任を全うしたいと思います。

さて、民事執行法の検討事項は、以下のとおりです(法制審議会民事執行部会・部会資料10-1より)。

当初資料の「民事執行手続きに関する研究会報告書」(一般社団法人金融財政事情研究会)から、検討事項に大きな変化はありませんでしたが、債務者の財産開示手続きが見直しされることに伴い、債務者保護を図るべく差押禁止債権をめぐる規律の見直しが加わりました。しかし、10回の法制審・部会審議を経て、検討事項の内容は、当初考えられていた内容からそれなりに変化しています。

第1 債務者財産の開示制度の実効性の向上
1 現行の財産開示手続の見直し
(1) 財産開示手続の実施要件の見直し
(2)手続違背に対する罰則の見直し
2  第三者から債務者財産に関する精報を取得する制度の新設
(1)新たな制度の創設
(2)制度の対象とする第三者と情報の具体的な範囲
(3)第三者から情報を取得するための要件
(4)回答の送付先等
(5)第三者に対する費用等の支払
(6)情報の保護

第2 不動産競売における暴力団員の買受け防止の方策
1 買受けを制限する者の範囲
2 執行裁判所の判断による暴力団員の買受けの制限
3 2の判断のための警察への照会
4 暴力団員に該当しないこと等の誓約
(1) 誓約の内容等
(2)虚偽誓約に対する制裁

第3 子の引渡しの強制執行に関する規律の明確化 
1 直接的な強制執行の規律の明確化
2 直接的な強制執行と間接強制との関係(間接強制前置)
3 直接的な強制執行の手続の骨格
(1) いわゆる同時存在の原則
(2)権者等の執行場所への出頭
(3)執行場所
4 執行場所における執行官の権限等
5 直接的な強制執行の執行機関等

第4 債権執行事件の終了をめぐる規律の見直し
1 差押債権者が取立権を行使しない場面等における規律
2 その他の場面(債務者への差押命令等の送達未了)における規律

第5 差押禁止債権をめぐる規律の見直し
1 給与等の債権に関する差押禁止の範囲の見直し
2 その他(手続の教示)

第6 その他所要の措置