共謀罪法案の衆議院通過

テロを含む組織犯罪の計画段階(実行準備段階)での処罰を可能とする共謀罪(テロ等準備罪)を新設する法案が、今日、衆議院で賛成多数で可決されました。法案の問題点については、各所で議論がなされているようですので、ここでは敢えて書きませんが、私も法律家の一人としてひと言だけ残しておきたいと思います。

この法案は、これまでの刑法や特別刑法で定められた処罰範囲をかなり拡大するものです。とはいえ「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」というくらいですから、私たち「普通の人」には無関係な話と思えるかも知れません。ですが、そのような「犯罪集団」かどうかを決めるのは警察であり、警察は国(多数決で選ばれた政治家と行政機関)の意向に従って動くものなので、広い意味では社会の多数派です。「犯罪集団」というレッテル貼りは、多数派が少数派を抑え込むのに利用できる道具といえます。

歴史的に見て、多数派が少数派の意見を抑え込んできた社会が、その後、どのような運命を辿っていったかを思い起こしてください。共謀罪が成立に向かって突き進む姿は、国家権力を法律で縛り少数派の人権を保障するという立憲主義の否定にもつながるものと思えてなりません。