トラフィッキング

昨年(2016年)に摘発された人身取引事件の被害者は46人で、このうち日本人が前年比12人増の25人に上ったという発表がありました。

「人身取引」というと、過去の奴隷売買のように、人間に値段をつけて売り買いするようなイメージがあるかもしれません。しかし、人身取引(トラフィッキング)とは、もっと広い概念であって、何らかの強制的な手段で、搾取の目的で、弱い立場にある人々を別の国や場所に移動させることを意味します。

そして、人身取引の被害者は、売春を強要されるなど性的な搾取を受けたり、強制的に労働させられたりします。きっかけは、巧みな勧誘であったり、身近な人間がブローカーとして関わっているなどして、多くの被害者は、自分が人身取引のプロセスに足を踏み入れたことを自覚しないまま、苛酷な状況に引き込まれていきます。

人身取引は重大な人権侵害であるため、日本政府も「人身取引対策推進会議」を設置し、警察庁、法務省、外務省等の各省庁が対策に取り組んでいるところです。

もっとも、「人身取引」という言葉も、一般にはまだ知られていないように思います。被害者を見つけられるよう、被害者が助けを求められるよう、認識を広め、支援窓口を整えることが必要であろうと思います。