最後の秘境

今年に入ってから、知人のピアノの発表会に行きました。
コンサートホールではなく、レストランが会場のアットホームな発表会でした。

子どもの頃からピアノを続け、今はピアノ教室の先生をしている知人の演奏前の姿を見ていて、「音楽家なんだなあ」と改めて思いました。

楽譜を見て弾くというのではなく、曲に向き合う、どのように曲をまとめていくか、ということを意識しているのです。演奏直前まで手袋で指を温めたり、指の筋力をつける器具を使っていました。

そういえば、年末に「最後の秘境 東京藝大〜天才たちのカオスな日常」という本(新潮社・二宮敦人)を読みました。この本の宣伝文には、「卒業後は行方不明者多数?」「謎に満ちた『芸術界の東大』に潜入した前人未到、抱腹絶倒の体験記」などと書いてあるので、最初は面白おかしい本なのかと思いました。

しかし、実際に読んでみますと、面白い部分もありつつ、音楽をする人が「音」にどれほどこだわっているのか、建築や陶芸をする人がいかに製作中心の仕事をしているなど、とても興味深く、真面目な本だったのです。

そんな本を読んだ後でしたので、知人の一つ一つの言葉や動作に気がついたのかもしれません。