『なんにもできなかったとり』

このひと言で、何度か絵本のことを書きました。読み終えた後、感動したような、悲しいような気持ちになる絵本に、刀根里衣さんの『なんにもできなかったとり』(NHK出版)があります。

生まれたときから、泳ぐことも、飛ぶことも、食べ物を得ることも、どんなに努力しても、他の兄弟のように上手にできない鳥が主人公です。最後に、この鳥は自分ができることを見つけて、それをやり通します。その姿は、美しいけれど、とても切なく、でも、この鳥がきっと幸せな気持ちであったろうことに心を揺さぶられます。

どちらかといえば、私は最後に救いがあるストーリーが好きなのですが、この絵本はそうではないかもしれません。それでも、心の奥に置いてきた何かが引き出されるような気がして、時折手にとる絵本です。