レモン・タルトのレモンは数えられるか

外国語で面白いと思うのは、言葉がその国の文化とつながっていることです。

フランス語では、イチゴとかマッシュルームやハーブなどは、そもそもが複数形なのです。私からすると、いずれも安価な食材ではありませんし、特に、品種改良された大きな甘いイチゴは1個ずつ食べる、という感覚です。マッシュルームやハーブにしても、1つ、2つと数えています。

でも、確かにヨーロッパに行けば、イチゴを初めとしたベリー類は山盛りで売られていますし、マッシュルームやハーブも日常的に使われている食材です。それらを1個単位で扱うという感覚は、おそらくフランスにはないのでしょう。

フランス語の先生によれば、洋梨やリンゴ、アプリコットを使ったタルトの場合、果物には複数形の名詞を使うのに、レモン・タルトのレモンは数えられない名詞を使うとのこと、それもなるほどと思います。洋梨やリンゴ、アプリコットのタルトには果肉をのせますが、レモン・タルトの場合は、果肉をのせるのではなく、果汁を利用するからです。

こと食材に関しては、肉をよく食べる文化であれば、お肉を表す言葉が、魚をよく食べる文化であれば、お魚を表す言葉の種類が多様です。

当たり前のことですが、言葉の使い方を知るのはいつも新鮮です。