民事執行法改正〜第三者からの情報取得

昨日、民事執行法の改正が法制審議会に諮問されました。今後、部会が設置され、法改正に向けて検討が行われます。

本日の日経新聞・朝刊では、「養育費や賠償金不払い防止 債務者口座 裁判所が特定」という見出しで、この民事執行法の改正が大きく取り上げられていました。

現状では、裁判所は、被告に対して金銭の支払を命じる判決は言い渡してくれても、被告の財産までは調べてくれません。つまり、被告が判決に従わないため、強制執行しなければならない場合、自力で被告の財産を調査しなければならないのです。

民事執行法の平成15年改正のときにも、債務者の預金口座等について裁判所が第三者に照会する制度を導入するかどうかは検討されていました。しかし、当時は、個人情報保護の見地や、金融機関に集約的な情報管理システムが存在しないという理由から、制度導入が見送られたのでした。

このような制度を創設する場合、
1)情報提供義務を負う第三者及び情報の範囲をどのように設定するのか。
・・ 金融機関(預貯金口座)、生命保険会社(保険解約返戻金)や債務者の取引先(売掛金)を含めるか、税務署や年金機構の保有する債務者の勤務先情報(給料債権)を含めるか。
2)債権額を基準として、情報取得の範囲を制限するルールを設けるべきか。
3)第三者が重複する情報提供の求めを拒める規律を設けるかどうか。
4)財産開示手続の前置を要求するかどうか。
5)第三者に対して、回答の正確性を担保するための罰則を設けるかどうか。
6)申立手数料をいくらとするか。また、申立手数料とは別に、第三者に対する手数料を設定するかどうか。
といった、具体的な問題が検討される必要があります。

また、強制執行の実効性を確保する一方で、債務者に対する過酷執行を避けるための手当ても要請されます。