もう一歩前に

新しい判例時報(平成28年9月1日号・No.2299)に、愛知県弁護士会所属の可児康則弁護士による「面会交流に関する家裁実務の批判的考察」という論稿が掲載されていました。

この論稿では、日本弁護士連合会の両性の平等に関する委員会有志により実施されたアンケート結果(65通)に基づき、現状を分析しています。いわゆる面会交流原則的実施論に基づく家裁実務の問題点を指摘し、調査官調査の可視化などが提言されています。

もし、子どもをめぐる問題に深く司法が関与する方向性をとるのであれば、私も、現在の家庭裁判所の予算や人員体制では耐えられないと感じます。面会交流もそうですし、現在、児童福祉法の一時保護について司法の関与が求められていますが、裁判所の対応能力がやはり問題になると思います。いずれの問題にせよ、裁判所の対応能力がなければ、形式的な、結論ありきの運用になってしまうだけです。

また、上記論稿では、臨床心理士や精神科医といった児童臨床専門家との連携協働も提言されていましたが、この点については、私も同意見です。専門家、裁判所、調停委員、弁護士が、それぞれ自分たち内部だけで考えるのではなくて、互いに情報共有しながらより良い解決を探求すべきではないのでしょうか。