改正は続く

債権法、相続法に続き、民事執行法の改正が検討されることとなり、最近、民事・家事関係が目まぐるしく動いている状況です。

民事執行法については、1)財産開示制度の実効性の向上、2)第三者照会制度の創設、3)不動産競売での暴力団員の買受防止、4)子の引渡しの強制執行の規律の明確化が検討される予定です。

今後、各検討事項についてご紹介できればと思いますが、現在、私は、上記4)の子の引渡しの強制執行の規律の明確化について検討しています。

ハーグ条約実施法に強制執行の規律が定められたことにより、同規律を参考にして、現行の民事執行法上には規定がない子の引渡しについて、規律を設けようとするものです。

もっとも、ハーグ条約実施法と国内事案の子の引渡しとは枠組み自体が異なりますので、同様に規律するという帰結にはならないと思います。具体的には、ハーグ条約実施法では、間接強制前置であり、同時存在の原則が求められています。しかし、私見としては、間接強制前置に任意の履行を促す効果がどこまであるのかについて疑問ですし、同時存在の原則によって、執行の範囲が狭められているように思います。

現状、強制執行が実現できず、裁判時から相当程度時間が経過してから、人身保護手続によって子を確保するという事例が見られます。子どもを長期間紛争状態におくことが、果たして子の福祉に沿うのかという疑問があります。

子の引渡しに関しては、やはり任意に履行されるのが望ましいと考えます。であれば、当事者に任意の履行を促すためにも、裁判の実効性が確保されている必要があると思うのです。

もっとも、子どもの意思や、子どもにとって過酷執行にならないように配慮するのは当然であって、そのバランスをどこに設定するのかが問われていると思います。