その影響は

先日、人事院が、国家公務員の扶養手当を2017年度から段階的に減額するよう勧告する方針を固めたとの報道がありました。

現在は、配偶者の年間所得が130万円未満の世帯などに、民間企業の「配偶者手当」にあたる「扶養手当」として月額1万3000円が支給されているのですが、それを段階的に減額し、その一方で、子どものいる世帯への扶養手当を引き上げる内容であるとのことです。これは、女性の就労拡大と、子育て支援を目指すものです。私は、6月29日に名古屋市で行われた公務員問題懇話会に出席し、その際、扶養手当のことも話題になりましたので、関心をもって新聞記事を読みました。

配偶者手当に関しては、「配偶者手当の支給を受けている社員の配偶者が就業調整を行うことが、パート賃金相場に影響し、つまりは就業調整していない人にも収入減の影響を及ぼしているのではないか」、「女性に家事・育児が集中するがゆえに就業時間を増やせないという背景もあるのだから、それらの問題も同時に解決する必要があるのでは」など、様々な意見があるところです。

厚生労働省の「女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会」の報告書(平成28年4月、厚労省のウェブサイトに掲載されています。)では、配偶者手当の歴史的経緯から、支給状況、企業の事例等や見直しを行う場合の留意点などが分析されています。

上記報告書は、「配偶者手当」は、「戦後の厳しい経済状況を経て、家事・育児に専念する妻と仕事に専念する夫といった夫婦間の性別役割分業が一般的であった高度経済成長期の社会状況や労使のニーズを背景に、日本的雇用慣行と相まって定着してきた制度」と位置付けています。また、同報告書によりますと、「配偶者手当」を含めた家族手当は、バブル経済の崩壊や経済のグローバル化の進展、平成10年代以降、いわゆる成果主義賃金が広がったこと等と併せ、その普及率は低下傾向にあり、平成11年の90.3%から、平成27年には76.5%まで低下しているそうです。

人事院勧告の民間企業に与える影響は少なくありませんので、今後の動向が注目されます。