道具を使う犬

犬の学習能力はとても興味深いです。

私の飼い犬(女の子です)の遊び道具は、噛むと「プー」と音の出るぬいぐるみと、骨の形をしたおもちゃです。ぬいぐるみについては、彼女が子犬の頃、上手に噛んで音を出すと人間が褒めたので、それがうれしくてお気に入りになったようです。

そのうち、彼女は、自分が遊びたいのに人間が注目してくれないときには、ぬいぐるみで遊ぶことで「プー」と音を出し、人間の気を引くようになりました。

ですが、彼女は、本当は、ぬいぐるみよりも、くわえやすい骨の形をしたおもちゃの方が好きなのです。人間と追っかけっこをして遊ぶのなら、骨のおもちゃをくわえて走り回りたいのです。ですが、骨のおもちゃは音が出ませんので、それで遊ぼうと思えば、人間のいる場所までそれをくわえて運んで行って、自分から人間にアピールしなくてはなりません。

最近、「プー」と音がしたので、「またぬいぐるみで気を引いちゃって」と思いつつ、彼女がいる場所に行きました。しかし、彼女は、私がやって来たことを確認するや否や、瞬時にぬいぐるみを離し、骨のおもちゃをくわえて見せたのです。つまり、彼女は、遊び道具ではなく、私を呼ぶための道具としてぬいぐるみを使うことを考えついたのです。彼女は、能動的なコミュニケーションツールを獲得したというわけです。

犬も道具を使うことに感心し、我が愛犬の思考能力を誇りに思うのですが、以来、私が家で何か作業をしようとすると、別の部屋から「プー」と私を呼ぶ音が聞こえてくるようになりました。彼女は、まるでブザーのように、鼻の先でぬいぐるみを押して音を出しています。急いで作業をしなければならないときには、なかなか辛いものがありますが、そんなところもまた、愛らしいものです。