「罰金5万円」は有効か

コインパーキングに、「不正利用の場合は、罰金5万円を頂きます」等と記載されている場合があります。

さて、どこかの誰かが、駐車スペースを利用したにもかかわらず、駐車料金を支払わないまま出庫した場合、この看板によって、罰金5万円を支払う義務は生じるのでしょうか。

看板に記載さえあれば、当然に支払義務が生じるものではなく、記載された金額について支払義務が生じるには、コインパーキング側と利用者との間に、その金額を支払う内容の契約が成立していた(契約の申込と、その承諾があった)ことが必要です。

この点について、「5万円」の支払義務を認めた裁判例がありました(岡山地判H25.8.27判決、判例タイムズNo.147・226頁)。

利用者側は、看板に記載された内容の契約は成立していない、と争ったのですが、裁判所は、コインパーキング側は、不特定多数の顧客に対して、違約金の定め(罰金5万円)を含んだ駐車場利用契約を申し込み、利用者側はその申込を承諾して駐車場を利用したのであって(=契約成立)、違約金の定めも、その契約内容に含まれている、と認定しました。

看板は、駐車場入り口付近に設置されており、赤字で「ご注意」と記載されていたこと、「罰金5万円」という文字が看板に記載された他の文字と同じ大きさであって容易に判読できたことや、記載された金額(5万円)が著しく高額ではなかったという事情が考慮されたのだと思います。

コインパーキング側としては、看板の設置場所や記載方法を工夫することが重要ですし、利用者側としては、たかが看板と考えていてはいけない、ということになりそうです。