言葉を選ぶ

弁護士は、たくさん言葉を使う仕事ですが、話す場合も書く場合も、言葉を選ぶことの難しさを日々感じています。

まず、言葉の正確さは重要です。私たちの仕事では、普段から、多義的に解釈できる曖昧な表現を極力避ける傾向にあるため、どうしても表現が硬くなりがちです。他方で、あまり難しい言葉が続くと、かえって意味が伝わらなくなるおそれがあるので、分かりやすさを優先した表現を織り交ぜながら、適度にバランスを取ることになります。これは、なかなか難しいのですが、ニュアンスまで正確に伝わったと手応えを感じ、ホッとする瞬間があります。

また、言葉が多過ぎると、ときに不本意な伝わり方をすることがあります。特に、話す場合、必要十分な話をした後、余計なひと言を付け足すことによって、話全体が意図しなかった方向に進んでしまい、後悔することもあります。こんなとき「蛇足」の故事を思い浮かべます。どちらかと言うと、実際に会って話をするより、電話で話をするほうが難しく感じます。言葉は、少な過ぎず、多過ぎず、適度が大切だと思います。