キャリーバッグに関する注意義務

最近は、キャリーバッグを曳いている方が増えました。キャリーバッグは便利な道具ですが、無造作に曳かれているキャリーバッグには、接触事故が起こるのではないかと危険も感じます。

判例時報の10月21日号に、このキャリーバッグに関する裁判例が掲載されていました。鉄道の駅構内で、キャリーバッグによって転倒した歩行者(大正14年生)に対し、キャリーバッグを曳いていた歩行者の不法行為責任を認めた事案です(東京地判平成27年4月24日)。

この事案が参考になるのは、キャリーバックを曳いている歩行者について、「駅構内のような人通りの多い場所でキャリーバッグを使用する場合には、曳いているキャリーバッグが他の歩行者の歩行を妨げたり、それにつまづいて転送させることがないよう注意すべき義務を負う」という注意義務を示した点です。また、他方、転倒した歩行者に対しても、「歩行中は前方及び足下に注意し、特に駅構内のような通行人の多い場所では、対向の歩行者が大量の荷物を持っていたり、キャリーバッグを曳いていることは当然予測できる」と指摘して、過失相殺(25%)したことです。

やはり、お互いに注意すべきといったところでしょうか。