表現の自由

日本国憲法第21条第1項は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と定めています。この規定から、知る権利、報道の自由、取材の自由などが導き出されます。

表現の自由は、他人の人権に配慮する限りにおいて、制限されることはないとされています。例えば、他人の名誉を毀損したりプライバシーを侵害するような表現は許されませんが、政府にとって都合の悪い表現だからと言って、これを規制することは許されません。その意味で、最近の一部の議員らの発言からは、日本国憲法の表現の自由をよく理解していないことが窺えます。

日本も戦前は、政府によって表現の自由が大幅に制限されました。大日本帝国憲法第29条に「日本臣民ハ法律ノ範囲内に於テ言論著作印行集会及ビ結社ノ自由ヲ有ス」と規定され、政府が法律を通せば、どのような表現でも制限することができました。制限というのは、国家が、違反した者に対し、懲役刑や死刑などの刑罰を科すことです。

私たちの社会において、表現の自由は、今や空気や水のような存在と言えるのかも知れません。誰でも自由に言葉を発信することができ、世界中の情報を入手することができます。人は、多様な情報を入手し、自らも情報発信することで、考える力を身につけ、他者の考え方から影響を受け、また、他者に影響を与えることができます。表現の自由は、人間らしく生きていくために不可欠な権利です。私たちは、これからも、表現の自由を守っていかなければならないと思います。