請負(債権法改正)

法務省において、債権法改正の要綱案について審議が進められています。

法制審議会・民法(債権関係)部会のウェブサイト(http://www.moj.go.jp/shingi1/shingikai_saiken.html)で公開されている最新の資料(部会資料84-1、2、3)によれば、要綱案の原案は、昨年8月26日に決定された「民法(債権関係)の改正に関する要項仮案」から、さらに修正されています。
特に、私は請負の部分を勉強しているのですが、判例法理に基づいて新設された規定(請負人が仕事を完成することができなくなった一定の場合について、請負人の報酬請求権が明文化されました)がある一方で、現民法の請負の規定の多くが、債権総則(損害賠償)、契約総則(損害賠償請求権)と売買(修補請求権、代金減額請求権)の規定を準用するものとして、削除されています。

これは、今回の改正によって、担保責任がいわゆる契約責任説の立場から整理され、仕事の目的物が契約内容に適合しない場合は、仕事の完成の前後を問わず、債務不履行として規律されることから、債務不履行の一般規定と重複する規定を設ける必要はないという考えに基づきます。しかし、その結果、請負の条文だけを見ても、条文数が少なく、請負の構造・全体像は分かりにくいです。

請負は、売買と同様に、身近な契約であり、紛争も多く生じます。「国民一般に分かりやすい民法」ということであれば、配慮する必要性があるのではないかと思われます。