帰責事由の判断基準

判例時報の最新号(2238号)に、輸入にかかる原料が関係した不具合について、原料の購入者が供給者に対して、債務不履行責任等に基づき損害賠償を請求した事案が掲載されていました(東京地判平成26年7月15日)。契約関係の性質(売買契約であるか否か)、不完全履行の成否、製造物責任の成否、損害の有無や金額など、多数の争点を含んだ事案ですが、供給者に帰責事由があったのかどうかについても争われました。

上記判例は、供給者に帰責事由を認めましたが、同じように、売買契約上の商品の品質に関して債務不履行が問題になった事案(輸入に係る食品原料が関係したとされる加工食品の異臭事故)として、過去の判例時報(2215号)が紹介していた裁判例(東京地判平成25年12月5日)では、売主の帰責事由が否定されています。

現在の民法では、帰責事由(債務者の責めに帰すべき事由・民法415条)の判断基準は条文上明らかではありません。ですが、民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案には、「契約その他の当該債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして」という帰責事由の判断基準が明記されています。これによって、大きく実務が変化するということはないまでも、判断基準が明確になったことにより実務にも影響が生じると思われます。