人生に思いを致すこと

その昔、先輩弁護士に「依頼者にはそれぞれの人生があるのであって、弁護士が接しているのはその一部なんだよ」と言われたことがあります。

確かに、弁護士は事件を通じて依頼者と接します。通常、弁護士が依頼者の事件以外の側面を知る事はありませんし、むやみにそれを知ろうとすることは仕事の範囲を超えることです。

しかし、弁護士が事件を解決することばかりを考えてしまうと、かえって、解決から遠ざかってしまう気がします。むしろ、その人の人生にとっては何が良いのだろう、より良い生き方をしてもらうために何か工夫できることはないのだろうか、とあれこれ考えていると、不思議と事件の解決につながっていきます。

依頼者とは事件を通じた付き合いですが、その背景にある依頼者の人生にも思いを致す必要があり、ここが弁護士の仕事の奥深いところだと思います。