法教育

「法教育」という言葉をご存じでしょうか。「法教育」とは、大学などで専門的に法律の知識を学ぶこと(法学教育)ではありません。「法教育」とは、法についての知識や、法の基礎にある原理や価値(自由、平等、公正など)を理解し、法的なものの考え方を身につけるための教育のことです。

では、法律的なものの考え方とは何でしょう。一言で表現することは難しいのですが、自分と他人、他人と他人の利益を調整できるバランス感覚と申し上げればよろしいかと思います。このようなバランス感覚を身につけるためには、他人の意見をよく聞いて理解し、自分の意見を他人が理解することができるように説明し、物事を色々な視点から考えることが必要になります。社会が複雑になり、価値観はますます多様化しています。それぞれの人が法的なものの考え方を身につけることによって、紛争を予防したり、紛争を解決したりすることが可能となります。

小中学校や高等学校における学校教育の中でも、「法教育」の授業が取り入れられつつあります。私も、講師として学校に赴き、「法教育」の授業を担当させていただいたことが何度かあります。「法教育」の授業といっても、堅苦しいものではありません。弁護士が、一方的に講義をするのではなく、例えば、少年法についてとか、死刑についてといった問題や、子どもたちにとって身近な話題について、子どもたちが弁護士を相手に、あるいは子どもたち同士でディベートをしたり、模擬裁判をしたりして、楽しみながら法的思考に馴染んでもらえるように工夫した授業を行っています。

愛知県弁護士会では、毎年夏休みの時期に、「中高生のためのサマースクール」を開催しています。このサマースクールでは、子どもたちに様々な講座に参加してもらうことができます(模擬裁判劇、法廷傍聴、ティーンコートなど)。今年はもう終わってしまいましたが、下のURLから弁護士会のホームページをご覧いただければ、どのようなものかお分かりかと思います。私は、今年、「弁護士に挑戦」と言って、現役の弁護士を相手に、子どもたちがディベートを挑むという講座を担当しました。中学生・高校生の皆さんは、なかなか手強かったですよ。
 http://www.aiben.jp/page/frombars/topics2/343_08_s_school.html