大学で教える

弁護士と言えば、裁判所の法廷で証人尋問をしたり、事務所で依頼者と打合せをしたり、相手方と交渉したり、というイメージがあるのではないでしょうか。しかし、弁護士の中には、このような仕事以外に、大学や大学院で学生の教育・指導に携わる仕事をしている人もいます。

私の場合は、法科大学院と会計大学院で、それぞれ大学院生と接する仕事をしています。法科大学院とは、いわゆる「ロースクール」であり、裁判官や検察官、弁護士になるために勉強をしている学生が通っている大学院のことです。また、会計大学院とは、会計士や税理士を目指している学生が勉強をしている大学院です。

日頃は、相談事、悩みを抱えた依頼者の方からお話を聞いて、解決の方法を考えるという仕事をしています。大学(院)で学生と関わるという仕事は、普段の仕事とはまったく性質が異なりますが、やりがいのあるものです。私は、商法総則・商行為法の講義を春学期(4月から7月まで)担当させていただいたのですが、学生はみな真面目で、授業にもきちんと参加してくれました。また、何よりも、講義の休憩時間や講義前後に、講義の内容について、あるいは他の法律に関して興味を持ったことなどについて、熱心に質問をしてくれる学生が多数いたことが、講義をする側にとっては、大変うれしいものでした。

それぞれに目標を持った若い方と接するのは、こちらまで元気を分けてもらったような気分です。春学期の講義はたった4ヶ月の期間でしたが、どのような順番で何を説明すれば理解しやすいのだろうか、講義内容に関連して何かタイムリーな話題はないだろうか、と試行錯誤しながらも、楽しく授業をさせていただきました。また、人に教えるということで、あらためて自分も勉強をしますから、受験時代とは違い、新鮮な気持ちで基本書や参考文献を読むことができ、自分自身の法律に対する理解が深まったような気がします。このような仕事は、今後も続けていきたいと思います。